時計愛好家のオーボエ奏者、俣野航輝です。
この公式WEBサイトで記事を書くことはないのですが、時計愛好家なのでこれまでに見てきた時計について語る場所をせっかくなので作ることにしました。

早速ですが紹介に入ります。

ウォッチメーカー、Tissotについて

Tissot Heritage 1948 クロノグラフは、スウォッチグループのウォッチメーカー、「ティソ」によって作られた時計です。ティソは入門機の価格帯でありながら、実用的な性能を十分に兼ね備えたうえで、ハイブランドな時計と比較しても外装のディティールを損なわない絶妙なバランスでコストを活用した作りが特徴です。
時計好きの間ではとにかく異常なコストパフォーマンスを誇り、ものによっては一桁多くても買いたくなるようなレベルの機種も作っているウォッチメーカーです。
また、ハイブランドのような定番デザインやスタイルを持たず、入れ替わりが多い分、コストを抑えながらたくさんの種類の時計を楽しむことができることも特徴の一つです。

コレクション、Tissot Heritage 1948の紹介

ロケーション:The Blossom HIBIYAにて撮影

ディティール

ロケーション::

特筆すべき特徴は、風防が一般的な硬質な素材のサファイアクリスタルではなく、ガラス樹脂のヘサライトで作られているこの1948は、白の文字盤に温かみを加えます。単純に白く無機質な表情を、ほんの少し有機的に映してくれる上に高い透明度でその良質なダイヤルを余すことなく魅力的に表現しています。

特筆すべき、インデックスはアプライドインデックスで、この価格帯では実現できるものとそうでないものが分かれますが、こちらはきっちりアプライドインデックスで構成。12時位置のローマ数字が、クロノグラフの積算計によってアンバランスになる印象をバランスよく保っています。一つ一つのドットのアプライドインデックスの仕上げは、ゆがみのない光沢が作りの良さを感じさせます。

針は柔和で白い文字盤と相性のいいリーフ針で、ややドレスな印象を与えた印象。クロノグラフはスポーティな表情を見せる時計ですが、スーツスタイルに合わせやすいバランスです。立体的なつくりではない部分が、多少のコストを抑えていると考えられますが、全体の表情から薄くてもさほどそれが作りの印象に与える影響は少ないように思えます。特に、針同士のクリアランスを狭めて作られているので、素材感よりもその製造精度の高さを感じる作りです。

積算計、スモールセコンドのエングレービングは上質な仕上がりで、ダイヤル表面の仕上げの基本的な部分と作り分けている部分がより作りの良さを感じさせます。ほかにもデイト表示の枠は100万円以上の時計にみられるような、額縁のような仕上げで面取りされていて、圧倒的ともいえる作りになっています。

ラグは小ぶりに作ってあり、腕になじみやすく、溶接感はありません。デザインとその加工もハイブランドと引けを取らないデザインで、全体の印象をクラシカルかつドレスに高級感を保ったまま引き上げています。

スモールセコンドは左側に位置しておらず、右側に位置。これはETAの一般的なムーブメントにクロノグラフ機構を重ねた二階建てムーブメントによる特徴です。

二階建てムーブメントながらに、ケースサイズ厚みともに抑えられていて、このサイズ感であるということ自体が非常に価値のあるタイムピースのように思います。

裏側はシースルーバック。中心にHeritageの文字があります。これもまたエングレービングによる装飾が施されており、いたるところに仕上げの良さが目立ちます。

ムーブメントも汎用ながらにかなり仕上げの良いムーブメントを使用していることが小さな窓からも判ります。

非常に持っていて満足感の高いタイムピースでした。